初めてVeloと会って、デモ音源を聞いたとき、まだそれは曲とも言えない様な、ただギターを掻き鳴らしただけのものだった。それでもあいつが選んだコード進行とそのテンション感には強い可能性を感じた。
始めは多少の不安もあったけれど、俺が感じた何かは間違いでなかったことは、それからしばらくしてすぐに証明された。
あっという間に、本当にあっという間に、次々と作曲に必要なスキルを身につけ、歌無くしても人の心を動かせるほど完成度の高いドラマティックな曲を書き上げるようになったのだから。
特にVeloの作るバラードは優しさと憂いが満ちていて、聞いていてとても心地よかった。
ギターの音とは相反し、乾いた音楽ではなく、湿度の高い音楽。
少し肌寒い日の朝靄の様な。
そんな彼を失うことはMoranにとって計り知れない損失である。
正直、解散も考えた。けれど俺はMoranというバンドを、曲を、それを必要としてくれるファンを心から大事に思っている。
だから「俺が歌う為に産まれてきたこの曲と、それを必要としてくれるみんなの気持ちを何とかして守りたい」そう思ったからこそ、活動休止という形を選択した。
Veloには確かな才能がある。それはきっとどこへ行っても通じるだけのものだと思う。
ZillやSoanもそう。それぞれがかけがえの無い輝きを持っている。
だからこそ俺は、みんながどういう道を選ぼうと失望させられる事はないと確信している。
未来ではきっと笑っていられる。
だから今は残された時間の中、4人で最高の思い出を作っていければいいな、そう思ってるよ。
■Hitomi
■Velo
■Zill
■Soan

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